「幸福な王子」が教えてくれる、宝石の本当の輝きとは?
「幸福な王子」って聞いたことがありますか?
オスカー・ワイルドが描いたこの物語は、王子の像が身につけている宝石を、貧しい人々のために分け与えるという感動的なお話です。
高い塔の上に立つ王子の像は、サファイアの瞳やルビーの剣を捧げ、人々を幸せにしようとします。
やがて王子の美しい姿は失われてしまいますが、その心の輝きは増していくのです。
この物語が教えてくれるのは、ただの宝石の輝きではなく、「誰かのために輝くこと」こそが、本当の価値なのだということ。
▶︎ 青空文庫「幸福な王子」オスカー・ワイルド著(矢口貢訳)
NHK「おはなしのくに」で知った「幸福な王子」

私がこの物語に初めて出会ったのは、NHK教育テレビ(Eテレ)の「おはなしのくに」でした。
子供のころ、宝石の美しさよりも、王子の優しさが強く心に残っています。

宝石の輝きは素敵だけど、心の輝きはもっと特別に感じます。
ヨルシカの歌詞にも登場する「幸福な王子」
実は、最近の音楽にも「幸福な王子」が取り入れられています。
ヨルシカの「左右盲」(2019年アルバム『エルマ』収録)という曲の中には、
「剣の柄からルビーを、この瞳からサファイアを」
という一節があり、これはまさに王子が宝石を分け与える場面を思い出させます。



ルビーやサファイアがこんなに特別な意味を持ってるなんて、なんだか感動です。
「幸福な王子」の物語


黄金に輝く王子像は、町を見下ろす位置にあり、困っている人々を見て心を痛めます。
そこで、ツバメに頼んで、自分の宝石を少しずつ分け与えていくのです。
王子の美しい外見は徐々に朽ちてしまいますが、その思いやりは町の人々に希望を与えました。
最後には、王子とツバメが天国へ迎えられます。
この物語は、「本当の幸せとは何か?」を私たちに問いかける感動のストーリーです。



オスカー・ワイルドは1888年に『幸福な王子とその他の物語』としてこの作品を発表しました。
当時のヴィクトリア朝の社会格差や慈善事業への批評も込められた、大人にも深く響く物語として今日も読み継がれています。
ルビーとサファイアが持つ特別な意味


「幸福な王子」の物語に登場するルビーとサファイア。
この2つの宝石には、古くから特別な意味が込められてきました。
ルビーの輝きと意味
ルビーは、燃えるような深紅の色が特徴で、「情熱」や「愛」を象徴する宝石です。
その美しさから「宝石の女王」とも呼ばれ、古代から権力や愛の象徴として扱われてきました。
幸福な王子の剣に埋め込まれていたルビーは、物語の中で貧しい人々に希望を与えました。
現実でも、ルビーは人々にエネルギーや勇気を与える石として大切にされています。



ルビーってすごく情熱的で、心を燃やしてくれる宝石なんだね。
サファイアの静かな輝き
一方、サファイアは落ち着いた青色が魅力で、「誠実さ」や「知恵」を象徴する宝石です。
王室や宗教的な場面でもよく使われ、その神秘的な輝きが多くの人を魅了してきました。
幸福な王子の瞳に埋め込まれていたサファイアは、物語の中で人々に知恵や真実をもたらす象徴でした。
現代でも、サファイアは冷静さや精神的な安定を求める人に愛される宝石です。



サファイアの青い輝き、なんだか見ていると心が落ち着くね〜。
本当に知恵と平和の石だね!


まとめ|本当の幸せとは? 宝石が教えてくれる心の輝き


この物語が伝えたかったのは、宝石そのものの価値ではなく、
「何のために輝くのか?」 ということではないでしょうか。
王子は自らの輝きを失っても、人々に幸せを届けることを選びました。
そして、その姿を見た神様は、王子とツバメを天国へ迎え入れます。
本当の幸せとは、自分だけが輝くことではなく、誰かのために輝くこと。
その気持ちこそが、ルビーの燃えるような愛や、サファイアの誠実な知恵と重なるのかもしれません。
宝石に込められたストーリーを知ると、ますます魅力的に感じますね!



幸せって、きっと誰かと分け合うことで、もっと輝くものなのかも。